「組み体操コース」でスペシャリスト養成 大阪の高校
私立百間堀学園(西大阪市)が来年度、組み体操の専門知識や実技を学ぶ「組み体操スペシャリストコース」を新設することが分かった。基礎体力の強化や実技に加え、歴史や理論といった座学まで多角的に学ぶ。
同校によると、「組み体操スペシャリストコース」の定員は200名。近年は組み体操の危険性を指摘する声が高まっていることから、三段以上の技を行う際は事前の「構造計算」を徹底して行うほか、ラーメン構造など実践的な建築理論を身につける。
卒業後の具体的な進路は「我々自身も明確に出来ていない」(同校)というが、「組み体操で得た経験は何事にも代え難いものになるはず。検定試験を取るよりもよっぽど人格形成に役立つだろう」として全国から生徒を募集する方針。入試では骨密度の高さや忍耐力を中心に人選するとしている。
同校では専任教師も募集する予定で、組み体操への情熱だけは負けないが社会がそれを許さなかった教師からの売り込みがすでに殺到。教師の選任に実技試験は無く、組み体操にかける情熱を最も上手に表現できた人を採用するという。
久松作治理事長(63)は、「組み体操のイメージが悪くなっているが、日本の伝統文化でもある。全員が力を合わせて巨大な塔を作り上げる喜びを教え込み、後世に伝える人材育成が必要だ」と説明した。