京都で「お茶漬け」必修化 おもてなし精神学ぶ

京都で「お茶漬け」必修化 おもてなし精神学ぶ


写真=京都タワーのマスコットは「たわわちゃん」

写真=京都タワーのマスコットは「たわわちゃん」

京都府西山市教育委員会は12日、市内の小中学校で「ぶぶ漬け」(お茶漬け)の出し方を必修化することを決めた。「京都のおもてなし文化」を次世代に伝えることが狙いで、来客への対応を実践的に学んでいく。9月から週に2時間以上の「お茶漬け実習」を義務付ける方針だという。

西山市は「インスタントお茶漬けの素」の生産量全国3位。山田教育委員長は「市の特産品を学ぶことは大切」とした上で、「お茶漬けの出し方は京都人として身につけておくべき技術だ」と説明する。

西山第三中学校3年2組ではこの日、夏休みにも関わらず臨時授業が行われた。主人役と客役に分かれた生徒が、大して盛り上がりの無い会話をすること50分。主人役の生徒が「ぶぶ漬けでもいかがどすか」と尋ねると、見ていた教師は「遅すぎる。50分も話すと客が本当に空腹になって食べたいと言いかねない」と指摘した。

主人役の生徒は「タイミングが難しい。早く一人前の京都人になりたい」と意気込む一方、客役の生徒は「お茶漬けを勧められたらどう応えるべきか、まだまだ裏の裏を読み切れない」と反省しきりだ。

前代未聞の必修化だけに、山田教育委員長の会見は30分の予定を大幅に超過。1時間が経過したところで取材陣にお茶漬けが振る舞われるなど「おもてなし精神にあふれた会見だった」(本紙記者)という。