イギリス、EUを離脱 「音楽性の違い」理由に

イギリス、EUを離脱 「音楽性の違い」理由に


イギリスでは24日、EUからの離脱を問う国民投票が行われ、離脱派が過半数を獲得した。ドイツを中心としたEUがヘヴィメタルを基本路線とする中で、ブリティッシュロックへの原点回帰を目指すイギリスは「音楽性の違い」に不満を募らせていた。

最終的な投票結果は離脱派が51.3%、残留派が48.7%。離脱を支持する団体の一つ「国民音楽新党」のエプスタイン代表は、「大陸の音楽は退屈だ。これからは自分たちの音楽を思い切り楽しみたい」と意気込む。イギリスはEU加盟国の親睦音楽発表会でベースを長年担当してきたが、国内からは「ドイツのヘヴィメタもフランスのプログレッシブロックもいらない。ブリティッシュロックの復権を目指すべき」との声が強まっていた。

イギリスの国民投票結果を受け、欧州全体にEU離脱の流れが波及する可能性もある。ギリシャでは古代ギリシア時代の古典音楽への支持が広がり、イタリアではオペラ人気が復調。スペインではフラメンコが過去10年で最高のブームを迎えており、EUは不協和音を奏ではじめた。

EUは今年8月からワールドツアー「真夏のヘヴィメタ祭り2016」を予定していたが、ベースが離脱したことでバンドの再編成は必至。新メンバーの募集が予想される一方、過去の音楽史を振り返って「一人が抜けたバンドは大体解散する」との声も根強い。