冷暖房完備の新球場を建設へ 高校野球の猛暑批判で

冷暖房完備の新球場を建設へ 高校野球の猛暑批判で


日本の夏は40度近くまで上昇する

日本の夏は40度近くまで上昇する

兵庫スポーツ振興機構は29日、最新の冷暖房を備えた野球場建設を発表した。夏の高校野球を炎天下で連日行うことに批判が集中していることを受けたもので、2020年までの完成を目指す。

機構の吉村理事は「日本の夏は気温40度近くになることも多い。炎天下でスポーツをすれば脱水症状などの危険性がある」とリスクを指摘した上で、「そんな環境でベストのプレーができるのか甚だ疑問だ」と述べた。

新球場の冷暖房は、宇宙船内の温度をコントロールするアメリカの最新技術を応用。フィールドと観客席の温度をマイナス20度から50度まで1度単位で設定可能で、スポーツに最適な環境を作り出すことができる。

一方で、「甲子園の醍醐味は炎天下のプレー」「連投するエースの踏ん張りこそ魅力」「暑さで冷静な判断力を失ってからが勝負」との高校野球ファンの声も根強い。機構ではこうした声を重く受け止め、新球場の設定温度は「よく晴れた8月の午後2時」(機構職員)を想定した39度にするという。

さらに、開閉式屋根の内側には自然光に近い照明を設置して真夏の太陽と同程度の紫外線を放出。湿度も高めにすることで「炎天下の甲子園」と同じ環境を目指す。

「より自然に近い環境を再現する球場」のコンセプトは東京五輪関係者も高く評価しており、新国立競技場では冷暖房設置を見送る方針だ。