各党議員による草野球大会が中止 外野の守備位置でもめる
超党派の議員でつくる野球愛好議員連盟は22日、来月開催予定だった「チキチキ真夏の草野球大会」の中止を発表した。開催中止は3年ぶり8回目。
この大会は野球を愛する国会議員によって戦後まもなく開始され、今でも選手は連盟所属の議員。毎年8月に来日するアメリカ上院議員の野球チームと対戦している。普段は激論を交わす各党の議員が白球を追いかける、国会の名物行事だ。
連盟会長の愛甲議員(無所属)は「スケジュールなど諸問題があった」として中止の詳しい理由について明言しなかったものの、ある関係者は「各党との間で調整が難航し、断念せざるをえなかったようだ」と話す。
今年は与野党9党から1人ずつが参加して「混成チーム」を編成し、親睦を深める段取りだった。しかし「打順はすんなり決まったが、問題は守備位置。外野は誰 が右翼で左翼か、中堅はいったい誰なのか、各党の議員がお互いを名指しするものだから収拾がつかなくなった」(前述の関係者)という。
終わったばかりの参院選で憲法改正や領土問題が争点の一つになった事情もあり、各党とも守備位置には敏感になっているようだ。
今大会が中止となったことを受け、ある新聞社は社説で「野球の右傾化が懸念されている。だが待ってほしい。本当に、右翼を守る必要はあるのか、今一度考えたい」と野球ルールの改定を主張している。