蛇口から納豆 茨城で納豆専用の配管開通
茨城県東茨城市で3日、蛇口をひねると納豆が流れ出す「納豆専用蛇口」が開通した。同市の特産品である納豆の安定供給が狙いで、開通を祝う式典に出席した井川市長は「水やガスと同じように、生活インフラとしての納豆を市民は享受してほしい」と話した。
水道局によると、通常の水道水が流れる上水道とは別に納豆専用の配管である「納豆道」を市内全域に埋設。粒状の納豆をスムーズに通す技術の開発は困難を極めたが、筑波科学大学の協力を得て特殊な配管を開発したという。市内の公共施設はもちろん、全11万5765世帯に「納豆専用蛇口」が無償で設置され、いつでも好きなタイミングで納豆を楽しむ事ができるようになった。
流れ出る納豆はすべて市内で作られた小粒納豆を使用しており、コシのある粘り気と強いニオイが特徴で人気が高い。市内全域に十分な量を行き渡らせるには一日あたり5万トンが必要な計算で、市では市内の納豆業者に対し前月比500%増の生産拡大を指示した。
市役所前の公園には、水飲み場の隣に「納豆飲み場」が完成。近所の少年(9)は「遊んでいる途中で納豆が欲しくなったら、ここの蛇口で思い切り納豆を飲みたい」と嬉しそうに話した。
同市の広報担当者は「福岡はとんこつスープが出たり、香川はうどんが出るらしいが、納豆にかなう技術ではないと断言できる」と他県への敵対心を露にしつつ「今後は『納豆道』を茨城県全域に普及させたい」としている。