飲食店が客を評価 「客コム」サービス開始
大手IT企業ドットスゴクコムは7日、来店した客を飲食店が評価する情報投稿サイト「客コム」を公開した。実際に接客した店の視点から、「客の態度」「雰囲気」「使った金額」「もう一度来店してほしいか」などを総合して5段階で評価するほか、一言コメントや容姿の特徴、写真も投稿できる。
このサイトは、ドットスゴクコムと全国飲食店経営者協会が共同で開発したもの。評価はビッグデータとして蓄積され、飲食店は自由に閲覧可能となっている。評価の高い「優良客」にターゲットを絞って広告を実施したり、「使った金額」が単価の高い客には高価なメニューを薦めるなど「経営効率化のヒント」として活用できる仕組みだ。
一方で「モンスタークレーマー」や、店内での「問題行動」を客がSNSに投稿して騒動になるケースが多発していることから、低評価ばかりが集まった「問題客」をチェックする機能も備えた。こうした客が入店しそうになったら拒否するなど、トラブルを未然に防ぐ対応をとることが狙いだ。
全国飲食店経営者協会は、「これからはリスクマネジメントの時代。しょう油ビンを鼻に突っ込んだ写真をツイートしそうな大学生が来店した場合、面倒な問題に発展する前にさっさと追い出す事が重要」と話している。
一部の有識者から、「客の個人情報を勝手にネットで公開するのはいかがなものか」との批判がある事については「我々だって、頼んでもいないのにネット上で好き勝手に書かれている。これまでは『選ばれる側』だったが、店側も『客を選ぶ権利』はある」として問題ないとの見解を示している。
現時点で「客コム」には5000件を超える情報が寄せられている。ドットスゴクコムは今後、飲食店以外にも範囲を広げたサービスを開発していく方針だ。