書写の授業はコピペを助長 指導要領から削除へ


千葉県駒野市教育委員会は30日、書写の授業を学習指導要領から削除する方針を決めた。小中高校の全教科について内容を審議した結果、教育上ふさわしくないと判断したという。

山田教育長は取材に対し、書写における「同じ内容の文章を同じ筆跡で写し取る」という行為が「『コピペ』(コピー&ペーストの略)への抵抗感を軽減させるばかりか、むしろ助長する可能性がある」と理由を説明した。

STAP細胞における論文コピペ問題を重く見た駒野市教育委員会は今月、生徒が提出した過去5年間分の宿題を点検。その結果、書き初め作品のすべてがお手本をそっくり真似た「コピペ」状態だったほか、読書感想文でも「あらすじ」の無断引用が多く見られたという。

こうした事態を受け、市教委はコピペ蔓延の原因を書写と断定。「書写」の文字通りお手本を書き写す本質的な問題点は改善困難として、学習指導要領から削除する事を決めた。今後は書写の代わりに、お手本とは全く違うものを書かせる「自由書」科目を設定。読書感想文についても、読んだ本の内容について極力触れないよう指導を徹底するという。