医学部入試で実技試験 来年度から導入へ


医学部を持つ大学で作る医学部協議会は3日、来年度の入試から実技試験を導入すると発表した。より高度な技術を持った人材を育成することが狙い。

協議会によると、新たな入試制度では手術の実技試験を実施。筆記試験の成績も考慮するが、より実技の結果を重視して合否を判定する。入試担当者は「医者にとって手術は基本技術。入学前にマスターすればその後の成長も大きい」と説明した。

実技試験となる手術は試験官の立ち会いのもとで行われ、「手際」「落ち着き」「臨機応変」「見た目」など複数項目をチェック。場合によっては患者役の感想も 取り入れるという。内科や外科など手術の内容は当日まで明かされないため、受験生は幅広い分野の技術習得を迫られそうだ。

これを受けて進学大手「西進ハイスクール」では、医学部受験コースに実技を取り入れることを決定。専任教官が見つかるまで現国の林先生が指導にあたるという。この日、医学部受験コースの説明会に訪れた高校生(16)は、「来年の夏までに耳鼻科と泌尿器科はマスターしないとダメだと言われた。がんばりたい」と意気込む。

協議会では「従来の筆記だけでは選べなかった、卓越した技術を持った若者を待っている。筆記が0点でも手術が満点なら合格させる」としているが、周囲からは「そんなマンガの主人公みたいな奴はいない」との声が多く聞かれている。