「今年の就活生は最高の出来」 就職活動が解禁、各地でイベント


写真=社会人は気の乗らない飲み会でもこの表情を見せる必要がある

写真=社会人は気の乗らない飲み会でもこの表情を見せる必要がある

大学生の就職活動が解禁となる12月1日、全国各地でイベントが行われた。ある企業の人事担当者は「今年の就活生は出来がいい。過去最高と呼ばれた昨年も上回り、ここ数年で一番」と期待を寄せる。

今年は劣悪な環境での労働を強いるブラック企業問題がクローズアップされたこともあり盛り上がりが懸念されたが、就職を希望する学生の数は平均並みだという。就活に詳しいエンナビの倉田さんは「ネットではブラック企業を叩いても、実際には就職活動をしないわけにはいかないのでは」と分析する。

東京都内の居酒屋チェーン「亜民(アタミ)」では、午前0時の解禁に合わせて同社社員と飲み会ができる「就活解禁飲み」を実施。一足先に社会人気分を味わってもらおうと、上司役の社員とともに同社の社訓を通して交流を深める狙いがある。参加費は4000円(割り勘不可)で、「一昔前は上司が奢っていただろうが、今はどこも懐が厳しい。こういう現実を身を持って知ることが大事」(亜民の担当者)という。

また、大手広告代理店の電博では「キラリ☆シュウカツドラフト」を開催する。企業の人事担当者500人を前に学生がステージに登壇、プロフィールや特技をアピールし、「面接を受けさせたい」と感じた学生を指名するイベントだ。学生は指名企業との「優先面接権」を獲得するが「内定とは関係ない。面接がうまく行かなければ何度でも参加してほしい」(電博の担当者)という。参加費は2万円(年間)。

最近では大学で就活を専門的に学ぶ「就職学部」ができたほか、企業も就活に積極的にかかわるケースが増えている。倉田さんによると、圧迫面接を実地訓練する企業主催のスクールも人気があるという。

ある企業の人事担当者は「就活はそれ自体が企業にとって仕事のうち。少しでも収益を上げようと、ビジネスとして就活に取り組んでいる」と明かした。