インドで虎が激減 バター不足が長引く恐れ
日本乳製品協会は8日、バターの原料となる虎が激減していることを受け、今後も品薄が続く可能性を明らかにした。クリスマスなどで需要が高まる時期だけに、家庭への影響は大きそうだ。
協会広報によると、バターに使用される虎はインドから輸入している。しかし今年に入って生息数が激減したほか、現地の虎ハンターも世代交代の遅れから6割近くが廃業したことで、国内メーカーでは原料確保に苦戦していた。
虎をバターに加工するには一度に3頭以上を同時に高速回転させる必要があり、常に一定以上の頭数を揃えることが絶対条件。1頭や2頭による「コスト削減」も試みられたが「やはり物足りない味になる。深みを出すには絶対に3頭が必要だ」(協会広報)という。
また、来年1月にはインドの虎が「絶滅の危機にある野生動物」に指定されるとの観測もあり、日本乳製品協会では対応を検討。しばらくは虎を使ったバター製造を控えることと、業界全体で虎養殖を支援する方針で一致している。
国内メーカーは代替策として牛乳を使ったバターを製造しているが、慢性的な品薄状態。再び需要が高まるバレンタインデーまでには虎バターの製造を再開したいとしている。