穴のない新種のドーナツを発見 各界に衝撃
米サフランシスコ大学のフランシス・ジャスパー教授(生物学)らの研究グループは27日、ブラジル・アマゾン川上流の密林地帯で穴のない新種のドーナツを発見したことを明らかにした。来月発行の科学誌「オストアンデル増刊号」に掲載される。
教授によると、問題のドーナツはアマゾン川の上流200キロ地点で見つかった。この一帯ではかねてより目撃情報が絶えなかったことから慎重に調査を進めていたが、ヤシの木の樹皮をはがしたところ、300体の大群が蠢いているのを確認した。
「ドーナツをドーナツたらしめる存在」として長年にわたり評価されてきた穴だが、常識を覆す新種発見の一報を受け各界に衝撃が走った。
社会科でお馴染みの「ドーナツ化現象」は、都市部で中心市街地の人口が減り、郊外の人口が増えてドーナツ状になることを表す用語だが、新種の発見によって言い換えを強いられそうだ。国際社会科学会では、これまでに採点されたテストから、ドーナツ化現象を扱ったすべての問題を無効とする決定を下した。
また、ドーナツ専門店も対応に苦慮している。都内のあるドーナツ店の店主は、「過去に穴のないドーナツを遊び心で作ったことはあったが、それは穴のあるドーナツが存在するからこそ成立したもの。最初から穴のないドーナツがあったのでは、穴のないドーナツというフレーズそのものが揺らいでしまう」と嘆く。
ドーナツ哲学に詳しく、今回の新種発見にも協力した国分寺産業大学の安藤夏男教授(貫地谷しほり学)は、穴のないドーナツについて「さしあたってサーターアンダギーのような味」としている。