喫煙ルームも禁煙化 長野県に登場


写真=「喫煙ルーム(禁煙)」マーク

写真=「喫煙ルーム(禁煙)」マーク

長野県根多田市に15日、禁煙の喫煙ルームが登場した。市内全域での禁煙を定めた条例が成立したことを受けたもので、喫煙ルームで煙草を吸った場合、50万円以下の罰金か90日以上の社会奉仕活動を義務付けている。悪質な違反者には5年以下の懲役刑が適用できる条項も盛り込んだ。全国でも初めての試みで、「究極の分煙政策」(同市役所)として注目を集めている。

同市の賀瀬市長は取材に対し「禁煙は世界的な潮流。条例の制定も市民の強い要望によるものだ」と説明。条例制定を求める市民団体からのメールが市役所へ連日500通以上も届いており「このままでは職員の業務に支障があると判断」して制定を決めたという。

午後1時、条例施行を告げるサイレンが鳴り響くと、武装した市職員が喫煙ルームへ突入して喫煙者の一斉摘発を開始。市職員と喫煙者が衝突する場面もあり2人が負傷、5人が警察へ連行された。市内に住む喫煙者の男性(52)は「煙草の害よりも、このストレスの方が健康に悪いのでは」と話した。

今回の条例制定を受け、市内の書店やレンタルビデオ店でも「喫煙シーン」のある作品の撤去が決まった。あるレンタルビデオ店では、摘発から逃れるため喫煙シーンを「もっと危ない物を吸うシーン」と偽り、抜き打ちで訪れた市職員をやり過ごしたという。