オスのオスプレイが大漁 山口・岩国漁港で水揚げ始まる


写真=オスプレイ輸送機

写真=オスプレイ輸送機

豊かな水産資源の街として知られる山口県岩国市で24日、オスプレイの水揚げが始まった。オスプレイは、アメリカ近海で生まれ世界中を回遊する珍しい魚類。日本近海では1996年に姿が目撃されて以降これまで水揚げされることはなかったが、12年越しの悲願達成となった。

岩国市の岩国漁港は、世界的に知られる水揚げの拠点。通称「基地」の一つだ。例年ならイワシやサンマ漁が盛んな時期だが、今年に入りアメリカ水産省が「岩国近くをオスプレイが回遊する」との予測を発表。注目を浴び、世界中からオスプレイ狙いの屈強な男たちが集結していた。

漁は、夜行性のオスプレイを狙うため深夜が基本。光と音に集まる性質もあるため、関門海峡付近で「水揚げ反対!」「アメリカへ帰れ!」などと発煙筒やライト、拡声器でおびき寄せてくれるボランティア市民団体の姿も見られた。

24 日に国内初水揚げされたのはオスのオスプレイ12尾。大きいものは全長17mにも達する。漁港に並べられたオスプレイは「グォォォォーン」と響く独特の鳴 き声で威嚇するなど、活きの良さが印象的だった。状態のいいものは1尾6277万ドル(約50億円)で取り引きされるという。

オスプレイを専門に水揚げし、今回のためにアメリカから駆けつけたというブライアン・ジェファーソン三等軍曹さん(24)は「クールだろ?この鳴き声は『自由の声』って言われてるんだ」と語り、喜びを爆発させた。オスプレイは今後、沖縄へも回遊する見通し。