「一勝の格差」是正へ 高校野球で合区導入も

「一勝の格差」是正へ 高校野球で合区導入も


写真=ハンカチ(本文と関係ありません)

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全国高校野球協議会は30日、地方大会の試合数が都道府県で大きく異なる「一勝の格差」是正に向け、「合区」を導入することを決めた。

昨年末、関東地方裁判所が「一勝の格差」を違憲とした判決を受けたもの。愛知県(参加189校)が代表決定までに8連勝する必要があるのに対し、鳥取県(25校)は5連勝。総試合数も愛知県は全188試合、鳥取県は全24試合と「一勝の格差」は約8倍に及ぶ。

協議会では対応を検討してきたが、「合区」による「県を超えた地方大会」の開催を決定。鳥取(25校)、高知(31校)、徳島(31校)、山梨(37校)、沖縄(62校)を合区し、神奈川と同じ186校の地方大会を行うという。

一方、合区対象となった県民は戸惑いを隠せない。鳥取県内の高校で吹奏楽部の顧問を務めるという男性(52)は、「球場では1試合も演奏すればヘトヘト。今は何とかなっているが、186校の予選なんか想像したくない」と胸の内を明かす。

合区に反対する協議会員は、「全国をまるごと1つに合区する代案」(関係筋)を提案。都道府県予選を勝ち抜いた上位校が「全国統一地方大会」に出場して代表1校を争うというもので、会場は甲子園を想定。全国大会出場をかけて全国大会を行うことになることから、否決が確実と見られる。