100メートル男子決勝、ポルトンがフライングで失格 上空100mまで飛翔
世界陸上では6日、陸上男子100メートル決勝でマイケル・ポルトン(25、ジャマイカ)がフライング。9秒58の世界記録保持者で、今大会の金メダル候補筆頭がまさかの失格となった。
気温18度の中で行われた100メートル決勝。予選を全体9位となる10秒09で通過したポルトンは「体調は最高」と話すなど状態の良さを語っていたが、その速さが命取りになった。
スタート直後に先頭に立ったポルトンはそのまま加速。空気抵抗を全く受けないまま圧倒的な速さで離陸し、上空100メートルまで飛翔した。この時点でジャンボジェット機が離陸するときの「時速300キロ」を超えていたとみられる。その後はゆっくりと着陸態勢に入り、ゴール地点を大きく越えて着陸。得意の「木のポーズ」を披露したが、スタッフに促されて大会実行委員会へと連行されていった。
離陸に必要な時速300キロは秒速83メートルのため、ポルトンのタイムは1秒強になる計算。だが、「ゴールラインを通過していない」(五輪実行委員)として失格となった。着陸地点では男子走り幅跳びの決勝 が行われていたが、ポルトンが飛んだ距離(374メートル)は認められないという。
現在の陸上競技規則では、フライング(飛翔)に関する規定は無い。しかし、「いやいやいや、そもそも100メートル走になってないし」(実行委員)とする見解が多数で、失格の判定は覆りそうにない。ポルトンは昨年9月に行われた世界陸上(韓国)でもフライング。一時は競技転向も噂されたが、それを否定していた。