岩国市で「社会運動会」 全国の市民団体が参加


全国の市民団体がデモやシュプレヒコールの出来映えを競う「社会運動会」が11日、山口県岩国市の岩国市民運動場で開かれた。爽やかな空の下、参加者は汗を流して熱戦を繰り広げた。

「日本市民連絡協議会」が主催し、5回目を迎える。各団体の組織力と主張を一般にアピールするとともに団体同士の交流を深めることが目的で、今回は全国から32団体300人以上が集まった。

開会式では「平等を考える市民の会」の大原紀子さん(36)が「安易に勝ち負けを決める社会は危険。競争社会の撲滅を目指す」と選手宣誓。運動会の根幹を揺るがすと判断した主催者側によって、強制退場させられる波乱の幕開けとなった。

その直後から降り始めたゲリラ豪雨の影響で続行が危ぶまれたが、「ゲリラは帰れ!」「日本に雨は必要ない!」と主張する「晴天を守る市民の会」が岩国市役所前で抗議デモを行った結果、一時間も経つと見事な秋晴れに。予定通りの実施となり、主催者は「これも日ごろの特訓の成果」と話す。

競技は、団体の主張に賛同する人を何としてでもかき集める「借り者競争」や、デモ編隊の美しさを披露する「団体行動」、表現力と芸術性を採点する「マスゲーム」、不要な領土争いを招かないよう敵味方が同じ方向に引っ張る「仲良し綱引き」など10種目。

一番の盛り上がりとなったのは、シュプレヒコールの音量を競う「応援合戦」。「脱女子力を考える市民の会」が「定期的なネイルケアとか○○○」「キラキラ退社とか×××」(伏せ字は本紙自主規制)と叫ぶと、騒音で窓ガラスが割れる程度とされる450デシベルで1位となり、勢いそのままに総合優勝を飾った。

一部の市民から騒音等に対する苦情も寄せられているというが、主催者側は「我々は運動が生きがい。市民が運動をして何が悪いのか」として来年以降も継続して開催する方針。来週にも開催継続を主張するデモ活動を行うことを決めた。