謎の金属片 5分の1は自作自演?


日本全国で謎が深まるガードレールの金属片。全国で1万箇所以上に上る「現場」において、実はそのうち約5分の1が「自作自演」である可能性が高まった。発端は、北海道の花瞥丹(かべったん)村。その大河原雄一村長(75)が12日、地元ワイドショーである「告白」したのだった。

「花瞥丹村の名を全国に知らしめる、村おこし感覚だった」と語る村長は、金属片が最初に発見された報道(先月)を見た直後「これだ」と閃き、翌日には村内の全ガードレールに金属片を役場総出で設置したのだという。
すると、村長の目論見どおりに2日後には東京から全国放送のテレビ局が取材に訪れた。

花瞥丹村の報道があった翌日、今度は宮崎県の人口200人の村で金属片が発見された。そして、そのまた翌日には鳥取県の人口100人足らずの村で見つかった。

これが日を増すごとに増え続け、最終的には全国に広がっていったのだという。「全国に注目させないと、村が消えてしまう。自作自演がうまくいけば、活気付くと思った」と大河原村長は語った。また、役場では「金属片饅頭」の販売を進言する者もいた。実際、報道があってから現場への見物客が押し寄せたとのこと。しかし、全国的に被害が拡大すると、村は再び静かになってしまったという。

「自治体の自作自演」という事態を重く見た警察の呼びかけによって、「村おこし金属片」を行ったのは総計して2000件余りと判明。これは全国の報告された被害の5分の1に当たる。それらは近年の合併ブームに乗り遅れた過疎地域ばかりで、日本の地方行政の悩みが浮き彫りとなった。

大村太郎元捜査一課長は、「『村が消える、人も消える、活気も消える。過疎に残された道は何ですか』という大河原村長の言葉は、事態が「起こるべくして起こった」ことを示している」と分析する。