「初恋の味」の解析に成功 実用化に期待
日本味覚研究所は2日、「初恋の味」の成分解析に成功したことを明らかにした。甘味、酸味、塩味、苦味、うま味に次ぐ「第六の味覚」として実用化が期待される。
「初恋の味」は多くの人が一度は味わうものの、次第に忘れてしまう味覚のこと。「甘酸っぱい味」などと表現されるが、恋愛感情は個人差が大きく、成分解析は不可能とされてきた。
今回の研究では1歳から100歳の男女を対象に味覚テストを実施。その結果、初恋をしている男女だけが反応を示す味覚と、それを感じさせる「初恋の味物質」を発見したという。詳しく解析すると、レモンやイチゴ、モモなどの果物や発酵乳製品、ミント系植物などに多く含まれていることがわかった。
これに対し研究主任の猪熊剛三郎氏(56)は、「初恋の甘酸っぱさを裏付ける結果」とし、「実用化できれば食品業界に革命を起こすだろう」と期待を示す。一方で、「初恋の味は自分だけの秘密にしておきたかったが、科学者魂がそうはさせてくれなかった」と研究に対する苦悩と葛藤も明かした。
研究所では現在、実用化に向け「初恋の味物質」を調合した「ホルモン焼き」や「酒盗」「エイヒレ」を開発中。さらに今後は「後味」や「不気味」を示す物質についても成分解析していく方針だ。最終的には「どんな味も作る某有名アイスとコラボすることが目標」(猪熊研究員)だという。