階段の「踊り場」すべて撤去へ 風営法に抵触

階段の「踊り場」すべて撤去へ 風営法に抵触


写真=享楽的とされる踊り場

写真=享楽的とされる踊り場

有識者で作る「踊り場」検討委員会は11日、全国の階段から「踊り場」を撤去する方針を決めた。改正する風営法に抵触するためで、国土交通省などにも働きかけて年内の着工を目指す。

これにより階段はすべて一直線になり、最大傾斜45度の階段、場合によってはほぼ直角の階段も生まれる見通し。委員会では、「風営法の改正により止むを得ない措置」と説明している。

検討されている改正風営法では、客が音楽やダンスを楽しむ「クラブ営業」について、「一定以上の照明」「営業時間」などの条件を満たせば風営法から除外する方針。「音箱」や「踊り場」と呼ばれるダンス文化の愛好者には朗報となっていた。

そんな中、階段における「踊り場」を風営法に含めるかどうかが焦点に浮上。取り扱いを検討してきたが、「踊り場は常に薄暗く、実質的に一日中営業している状態」かつ「学校には踊り場が必ずあるため、未成年への悪影響が懸念される」(委員会のある委員)ことから風営法に抵触すると判断。「踊り場という名称を持つ以上、風営法から除外する特別扱いは困難」と結論付けた。

委員会では全国に100万カ所以上ある「踊り場」をすべて撤去するには5年程度かかると試算しており、今後は国土交通省にも呼びかける方針。2兆円ともされる費用は消費増税による税収を充てるとしている。しかし、こうした一方的な決定には一部の踊り場愛好家から反発を招く可能性もある。