桶屋HDに強制調査 独禁法違反の疑い

桶屋HDに強制調査 独禁法違反の疑い


写真=温泉に桶は欠かせない

写真=温泉に桶は欠かせない

公正取引監視委員会は16日、独占禁止法違反の疑いで、容器業界最大手の桶屋ホールディングス(OKHD)に強制調査に入った。風が吹くことで発生する利益を独占的に得ていた疑い。

関係者によると桶屋HDは、風が吹いて三味線の需要が高まり、その材料である猫が大量に捕獲されるとネズミが増え、ネズミが桶をかじって買い替えが起こる仕組みを利用。風が吹くたびに、買い替えによる莫大な利益を独占していたという。

こうした不当な収益構造は数百年間にわたって続けられ、公取監委では年間数十億円を得ていたとみられる。また、この他にも風力発電企業の新規参入を妨害したり、三味線業者や猫捕獲業者との談合、ネズミ養殖を依頼した業者に対して不当な値引きをした疑いも持たれている。

桶屋HDでは「風が吹けば桶屋が儲かることに対して違法という認識は無かったが、強制調査は真摯に受け止めたい」とコメント。公取監委では押収した十万個の桶を解析し実態解明を進める。

容器について研究する仲村照彦教授(団子坂経済大学)は「一社独占が崩れ、容器業界へ新規参入が増えるだろう。TPP参加が決まれば外国企業の影響力も拡大し、業界再編が起こる可能性もある」と指摘している。

【用語解説】
風が吹けば桶屋が儲かる:一見すると関係のない物事同士が影響すること。風が吹くと砂埃が舞い上がって失明する人が増える。そうした人々は生計を立てるために三味線を弾くので、三味線の材料になる猫が多く狩られ、天敵のいなくなったネズミが増える。増えたネズミは桶をかじるので桶屋が儲かる、という流れに由来する。