労働改革会議、「基本給ゼロ法案」を提言
有識者で作る労働改革会議は7日、新しい働き方である「基本給ゼロ法案」に関する提言をまとめた。労働に従事する20代または30代、あるいは40代から60代の男女が対象で、年内の法案提出を目指す。
提言は、労働者の基本給をゼロにする一方で残業代を全額支払うというもの。残業代不払いなどいわゆるブラック企業が社会問題となる中、この法案で労働者のモチベーションを高めたいとしている。
一部上場の飲食チェーンを経営する改革会議のメンバーは、「残業代の全額支給を求める社会的圧力が高まっている」と企業を取り巻く現状を指摘。その上で「この法案は残業した分だけ稼ぐことができるので、労働者には励みになるはず」とメリットを強調した。
2015年現在、残業代の平均時給は1200円程度。法案が実現すれば、月間200時間ほど残業しただけで20万円以上の残業代が支給される計算だ。この試算を聞いた都内の男性会社員(28)は、「今の会社は残業代が出ないブラック企業。基本給も上がらないし、残業代が20万円ももらえるなら喜んで残業したい」と期待を寄せる。
労働改革会議では月内にも関係省庁へ提言書を提出する予定。政府にも働きかけを強め、年内の法案提出と成立を目指す方針としている。