東京五輪 招致の決め手は「忍者対策」


IOC(国際オリオンピック委員会)は7日(日本時間8日未明)、2020年に行われる夏季五輪の開催都市に東京を選出した。1964年以来2度目の開催となる。

「TOKYO」 の文字が書かれたボードが掲げられた瞬間、会場の東京招致団は総立ちで喜びを爆発させた。「日本人がこんなに感情を表すなんて」と驚くIOC関係筋は、 「(東京は)計画性が評価された。汚染水の問題も、安倍首相の『私が安全と安心を保証する』の言葉がよかった」と話す。その上で、「決定的だったのは万全 の忍者対策」と明かした。

取材に応じたIOC委員は「東京には現在でも忍者がうようよいるんだろう?本で読んだよ」とし、「五輪は平和の祭典。ショーグンの命令を受けて敵を暗殺する忍者がたくさんいる都市がふさわしいのか懸念する委員は多かった」と指摘する。

6 月に行われたIOCの事前視察でも、「東京で電車が定刻通りにやってくるのはショーグンの機嫌を損なわないため」、「いつ任務を授けられても大丈夫なよう に、公園の水道水を飲むことができる」「トイレには人が潜んでいて便座を温めておいてくれる」などと忍者の存在を強く疑わせる事例が数多く報告されていた という。

そうした環境に不安の声もあがったが、東京招致団では事前にロビー活動を徹底。IOC委員一人ひとりの行動を忍者ばりにリサーチし、「忍者は平和の敵ではない。忠誠を誓った者を守ることが使命なのだから」と書かれた矢文を送りつけるなどしてきた。

最終プレゼンでは、滝川クリスタルさんが「忍者は、平和とあなた方を守るためにいる。忍者の血をひくすべての日本人は、どんなに混雑した会場でも人にぶつからない『高速避け』の秘儀を持っている。これがお・も・て・な・し」とスピーチした。

ブエノスアイレスで行われたIOC総会では、事前の観測で優勢と見られたマドリードが一回目の投票で落選。決選投票の末にイスタンブールを破り、東京が選ばれた。