「金のなる木」の開発に成功 価格は2千億円


米サフランシスコ大学のホーエンハイム教授は30日、世界で初めて「金のなる木」を開発したと発表した。実用化のめどがつけば、貧困地帯の支援事業に役立てたい考えだ。

研究チームは、インド洋に生息するインドクジラの卵に着目。卵黄に含まれる酵素に、金属への受容体があることで知られる。

こ の酵素をキウイの葉緑体に埋め込み、ダイヤモンドを高熱分解しレアアースと配合した水はけのよい土壌で栽培。無菌室で特殊な培養液を24ヶ月にわたって与 え続けた結果、今年7月、収穫したキウイの実から0.002ミリグラムの金を検出した。分析したところ、キウイが金を合成していることがわかったという。

「ゴールドキウイ」と名付けられたこの植物はキウイを1つ実らせると枯れてしまうため、大量生産に向けた体制作りが急務。安定供給が実現すれば、特産品に乏しい地域で新たな産業になることが期待されている。

ホーエンハイム教授は「金のなる木を育てるには財政的なリスクを負わなければならない」と話す。0.002ミリグラムの金を採るにはインドクジラ5匹、ダイヤモンド4キロ、レアアース10キロ、大量の電気、特殊な培養液など総額5千億円が必要になるという。

研究チームでは今後、2千億円程度に抑えた低価格な栽培セットを販売するといい、購入者が友人を紹介すると謝礼金を得られる独自システムで運営していく方針だ。