新国立競技場、3Dプリンターで作成へ ギリシャに発注も
総工費が2500億円に膨らんだ新国立競技場について、有識者で作る「未来スポーツ推進会議」は13日、競技場全体を3Dプリンターで出力することを決めた。工費を抑えるための提案で、文科省に意見書を提出し最終的な調整を進めるとしている。
新国立競技場をめぐっては、激増した工費や計画の甘さに対して厳しい批判が相次ぐ。有識者会議は対応を協議していたが、世界的に注目を集める新技術「3Dプリンター」で競技場全体を出力する方針で一致した。工費は2400億円まで抑えられる計算だ。
また、グランド部分を不動産業者に分譲販売して工費を捻出する案も浮上。その場合はグランドで競技を開催できないが、外壁だけの工事で済むことから大幅な工期短縮が可能となる。「本番に間に合わないより、見た目だけでも完成していた方が良い」(有識者会議の委員)として文字通りの「ハコモノ」化を容認する考えだ。
3Dプリントは財政難に陥るギリシャに発注する方針。ギリシャはIMF(国際通貨基金)に対して約2000億円を返済する必要があることから、関係筋は「建設費という形でギリシャを支援し、日本の存在感を高める思惑があるようだ」と指摘する。
3D出力は2020年5月の完成を予定しているが、間に合わない場合は「サグラダ・ファミリアのように完成しない様子そのものを観光資源したい」(前述の委員)としている。