ニシンのパイ送りつけ詐欺が相次ぐ 注意呼びかけ
警視庁は、ニシンのパイを送りつけて法外な配送料を要求する、いわゆる「ニシンのパイ送りつけ詐欺」が相次いでいるとして注意を呼び掛けている。
この手口は1989年頃に国内で初めて確認され、毎年7月~9月の金曜日に被害が集中していることから、警視庁は例年この時期になると防犯運動に力を入れている。
しかし7月8日金曜日に「今年の第一陣」(捜査関係者)が集中して発生し、既に被害は41件。被害にあった女性(14)によれば、「少女がとつぜんインターホンを鳴らし、宅配だと言われた。パーティの準備をしていたので、その荷物だと思って対応すると、嫌いなニシンのパイを押しつけられた」。そして「『宅配拒否は出来ない』などと言われ、配送料として法外な値段を要求された」という。
今年度だけでも被害総額は34億9000万円に上 るとみられ、警視庁はニシンのパイを宅配した「大きな赤いリボンを付けた、黒ずくめの少女(10~15歳前後)」の行方を追っている。
被害者の中には「箒に乗って飛び去った」となどと意味の分からないことを話すケースもあり、犯人側が幻覚作用のある薬品、あるいは催眠術を使用した可能性もあるという。また、ニシンのパイ作りが得意なおばあちゃんが知り合いにいない場合は、パイを受け取らないよう呼び掛けている。
送りつけられたニシンのパイについて上記の捜査関係者は、「ニシンのパイ?私あんまり好きじゃないのよね」とそっけない態度だった。