ポルトン、100mでフライング 上空300mまで飛翔し失格


韓国・テグで開催されている国際陸上男子100メートル決勝で、波乱が起きた。9秒58の世界記録保持者で、今大会でも金メダル候補筆頭だったポルトン(25、ジャマイカ)が、まさかのフライング。失格となった。

100メートル決勝、スタート合図のピストルが鳴り響いた瞬間のポルトンは「初速232キロ」(計測委員会公式発表)でスタートした。すると、空気 抵抗を全く受けないまま、圧倒的なスピードを動力に「離陸」。その後、競技場の3万人の観客、そして決勝出場選手らが見守る中、上空300メートルまでフ ライングした。

その後、ゆっくりと着陸態勢に入ったポルトンは、ゴールラインを大きく超えた地点に着地。得意の「木のポーズ」を披露したが、スタッフに促されて大会実行委員会へと連行されている。

現在の陸上競技規則では、フライング(飛翔)に関する規定は無いが、「このような事例を容認すれば、100メートル走のアイデンティティを失う」「ポルトンにはこの新しい競技を極めてほしい」(国際陸上関係者)などの声が多く聞かれた。100メートル走とはもはや別物と化したボルトの「走り」の扱いについ て、議論が紛糾することは必至だ。

ポルトンはこの件に関し、「飛んでる時、ムロフシのハンマーが横を通過してビビったぜー。普段は、飛ばないように力をセーブしてるんだけどな。ちょっと本気出し過ぎたぜ、ヒュー」と語り、失格ながらもファンキーに語った。