インディアンズが「壊し屋」バークマンを解雇


MLBクリーブランド・インディアンズのチェイニーGMは5日、来季の起用方針の対立を理由にブラッド・バークマン二塁手(33)の解雇を明らかにした。バークマンは今季、正二塁手として137試合に出場。.242、17本塁打、49打点を記録していた。

バークマンが守備の逸品さを買われて、ヤンキースでメジャーデビューしたのは96年。その後はパンチ力のある打撃に目覚め、シーズン20本塁打も記録した。バークマンは04年の現在まで一度もマイナー降格は経験せず、数球団を経ながらも8年連続でメジャーでプレイしている。

しかし、その「壊し屋」の異名が表すとおり、バークマンは特有の「癖」がある。それは、「抜群の守備力を持っていながら大事な場面でエラーをする」ということ。例えば、ヤンキース時代の97年。ヤンキースの先発投手のラザーズは、9回2死まで完全試合ペースの投球を披露していたが、バークマンは「最後の打者」の平凡なセカンドゴロを追いかけながら転倒、結局これは内野安打となり完全試合は泡と消えた。

そして、マリナーズへ移籍した98年には、ここでも完全試合ペースだったトーマス投手の記録を消すエラー。また、同年のマリナーズの地区首位奪還をかけた大事な試合でも3つのエラーを記録している。00年にメッツへ移籍後も「大事な一戦」でエラーを記録し続け、「壊し屋」の異名が定着した。98年と99年には地区ゴールデングローブ賞を受賞するほどの技量を持っているだけに「ここ一番」で「試合を壊す」エラーが目立つ。

バークマンがレギュラーを獲っている年に優勝した所属チームは無く、これもまた「壊し屋」の影響だと言われている。02年にインディアンズへ移籍後はレギュラーとしてプレイしたが、やはり癖は直らず、今季も「大事な一戦」でのエラーが目立った。そこで、来季の守備力強化を狙うインディアンズは今季でFA権を取得予定だったバークマンに解雇を通達したと見られる。

バークマン側は解雇を受け入れ、既にFA宣言。チェイニーGMはバークマンの代理人のコメントとして「日本を含む数球団からオファーを受けている。来季は現役でいられること願う」との談話も同時に発表した。MLBで獲得に意欲的な球団は現在のところ少ないと見られ、日本球団への加入の可能性が高い。有力候補は井口の退団で二塁が抜けたホークス。しかし、優勝を狙う球団の守備で使うには、獲得はあまりに危険な賭けである。