井伊音子島で身長40cmの旧人化石を発見 英研究グループ


沖縄県井伊音子島で、「黄色人種の旅路」を追求をする発掘を進めていた、イギリス・クリプトタン考古大学のガブリエル・ローズ教授(56)は6日、約2万5000~2万年前の地層から「成人の身長が41cmの新型類人猿、旧人の全身骨格を発見した」と発表した。頭骨から脚までほぼ完全な状態で発見され、同教授は、発見した地名から「ホモ・ヤラナィカ・マン」と命名した。

骨は成人男性の物と見られるが、身長が41cmという小ささ。同時代と見られるネアンデルタール人や、それ以前のジャワ原人、また今年11月に発見された「小型」新型類人猿ですら身長1mだったこともあり、異常な小ささであることは明白。ジャワ原人や北京原人、ネアンデルタール人と身体の巨大化が特徴とされる昨今の旧人観に大きな波紋を投げかけそうだ。

井伊音子島は天然記念物のイリオモテヤマネコを始め、数多くの原始動物が住む熱帯気候。環境の破壊を恐れ、1970年の本土復帰以来、35年近く学術研究の手は入らなかった。だが今年7月、日本政府の特別の許可により、ローズ教授率いる外国人学術部隊が6ヶ月間の発掘調査のため入島していた。

ローズ教授の発表によると、「ホモ・マン」は今年11月中旬、島北西部の「ヤラナィカの滝」近くで発見したと言う。その後2週間をかけて種類の特定に挑んだが、「そのあまりに異常な小ささゆえに」類似する種はなく、また「極めて現代人類の骨格に近い」ことから新種と考えるに至ったとのこと。

その小型さから、当然狩猟生活には苦しいものがあったと推定され、「既に農耕を行っていたのでは」との仮説も考えられると言う。骨は身体の一部が小さかったり、大きかったりと言ったものではなく、また奇形でもないと見られ、まさに「人間をそのまま小さくした姿」。このことについてローズ教授は、「島の環境に合わせて進化したとした考えられない。いや、それ以外解決策が思い当たらない」と語り、謎の深さをうかがわせた。

この骨は今月20日にも東京横満大学で世界の考古学者による精密な検査が行われる予定。