「今年の漢字」ならぬ「今年の理論」は「ツォルンの補題」に決定
2004年の世相を象徴する「第9回今年の理論」に「ツォルンの補題」※1が決まり、日本に本拠地を置く世界理学友好協会(WPSFA、角倉猛会長)が15日、東京都の六本木ヒルズ屋上で発表した。
9回目となる今年は、全国から過去最多の約5万4000通の応募があり、「ツォルンの補題」はうち3割弱の1万6200票を集めた。異常気象や球界再編問 題、安部なつみの盗作問題や世界情勢の不安定、さらにドラえもんの声優交代劇など、様々な出来事が怒涛のごとく起きた世の中を反映した。
「今年は非常に抽象的だったが、実は人間が行動を考え直すことに対して有効だと感じた」「はっきりしていないように思えるが、実はとても有益な年であった」「未だにこの補題が理解できない」などの意見が多かったと言う。
縦約1.7m、横約1.5mのわら半紙にマジックペンで「ツォルンの補題」を書いた角倉会長は、「今年の理論を踏まえ、来年はフェルマーの最終定理くらいに挑戦する気持ちを持つ年になってほしい」と語った。
※1【ツォルンの補題】
任意の帰納的集合は極大元を持つという定理。代数学に、しばしば用いられる。
過去9回の『今年の理論』
- 96年 相対性理論
- 97年 ピタゴラスの定理
- 98年 ペアノの公理
- 99年 余弦定理
- 00年 正弦定理
- 01年 ゲーデルの不完全性定理
- 02年 マクスウェル方程式
- 03年 ボイル=シャルルの法則
- 04年 ツォルンの補題