著名ピアニスト「4分33秒」演奏せず 非難殺到

著名ピアニスト「4分33秒」演奏せず 非難殺到


東京・千駄木の文化音楽ホールで14日に行われたコンサートで、世界的ピアニストのニコラス・ハワード氏が「4分33秒」を演奏しなかったことに非難が殺到している。

このコンサートは「ジャパン・マッシュルーム・コンサート」で、世界中からキノコ好きなトップピアニスト10名が集結。中でもハワード氏が演奏する「4分33秒」は「史上最高」と評され、イベント会社は「日本一豊かな音色が響く4分33秒間をお届け」などと宣伝していた。

しかし、舞台へ現れたハワード氏はショパンの「ピアノ協奏曲第1番・2番」を披露。堅実ながらも要所で情緒と躍動が飛び出すベテランらしい演奏を終えると、なぜか5分ほど沈黙してから楽屋へ戻ってしまったという。

最も高い席は30万円だったこともあり、観客からは「絶対聞きたかったのに残念すぎる」「チケット代金を返してほしい」との非難が殺到。だが、イベント会社では「素晴らしいショパンを聞けたのだから元は十分取れたはず」として返金には応じない考えだ。

初めて「4分33秒」を聞くためにコンサートに参加したという男性は、「『4分33秒』も聞いてみたかったが、ショパンが最高だった」と満足げ。「途中で5分くらい沈黙していたし、体調を崩したのかもしれない。無理しないでほしい」と話し、次回の来日に期待を寄せていた。