「4分33秒」金賞に輝く 全国学校合唱コンクール

「4分33秒」金賞に輝く 全国学校合唱コンクール


画像=「4分33秒」なら「歌声がうるさい」というクレームにも安心

画像=「4分33秒」なら「歌声がうるさい」というクレームにも安心

全国学校合唱コンクールが30日、東京・千駄木の文化音楽ホールで開催され、「4分33秒」を歌唱した大津琵琶湖高校(滋賀県)が自由曲部門の金賞に輝いた。

大津琵琶湖高校は、出場校が自由に歌唱曲を選べる「自由曲部門」でジョン・ケージ作曲の名曲「4分33秒」を披露。舞台上の生徒17名は4分33秒間にわたって直立不動を貫き、豊かなハーモニーを届けた。

授賞式で審査員は「混声合唱のハーモニーが素晴らしい。表現力がずば抜けていた」と絶賛。指揮者を務めた山口正一郎君(同校3年)は、「毎日5時間、土日も休まず練習してきた甲斐があった。ソプラノとアルトのバランスが最後まで難しかったが、本番は一番の出来だった」と喜びを爆発させた。

同校顧問の加護太郎教諭(43)は自由曲に「4分33秒」を選んだ理由について、「近隣住民から練習の声がうるさいというクレームが届くようになった。クーラーが無い教室で窓を締め切ったところ体調を崩す生徒が続出し、消去法で決めた。金賞は結果オーライだ」と説明している。

「4分33秒」が金賞を受賞したことを受け、コンクールを主催する全国学校合唱協会は、来年度の課題曲を「4分33秒」にすることを検討。「課題曲にすることで、いろいろな学校の歌う『4分33秒』を聞きたい」(前述の審査員)という。