世界が阪神”Vダイブ”へ警戒


阪神タイガースの優勝による一部の過激なファンの道頓堀ダイブに大阪府が厳戒態勢を敷く中で、世界も対策に乗り出した。海外の虎党の”Vダイブ”を警戒するもので、これが国際的な現象となっていることを実証することとなった。六カ国協議では重要な争点となるなど、”Xデー”は予断を許さない状況となりそうだ。

阪神ファンによる飛び込みは一種の”名物”で、18年ぶりの優勝となった2003年は約5300人が道頓堀へ飛び込み、死者も出る事態となった。「行き過ぎだ」との声が聞かれ、世間の目も厳しく「あれを全ての阪神ファンと思わないでもらいたい」との意見が目立つ。”本家”道頓堀での飛び込み者数は前回より減ると見られるが、全世界に数万人ともされる阪神ファンが一斉に河川に飛び込む事態は簡単に予想できる。

しかし「道頓堀(川)にピラニア を放り込んだ」という怪電話が寄せられるなど、「無視できない」(御唄房江・大阪府知事)問題であり、各国は行動を開始した。18日、イギリス・ロンドンのミュラー市長は「やむを得ないこと」として、テムズ川を始めとしたロンドン市内を流れる河川への人間の飛び込みを当面の間は禁止とする意向を示した。また、ドイツではドナウ川への飛込みを無期限で禁止する法案を近日中に成立させる見込みで、「阪神のマジックが消えるまでが勝負」(シュテバルト交通大臣)と言う。

ただし、アメリカのラムズフェルト国務長官は記者からの質問に対し、「私はトラキチだから規制は賛成できない」と語り、特別な措置をとらないと見られる。その他、ロシアやアフリカのレソトをはじめ、現在わかっているだけで世界42の国と地域が規制を始めている。小泉首相は18日、来日中の高武翼・韓国外務次官と会見して阪神優勝当日の警戒を再度要求した。

しかし、STDC(世界タイガース大好きクラブ)加盟の24カ国は「むしろ飛び込みたいんやけど」とし、歓迎の意向を強く示した。日本も加盟しているが、同じくGAC(ジャイアンツ愛クラブ)加盟国との連携もあわせて今後の外交を考慮した微妙な舵取りが注目される。

神阪虎男・イタリア阪神ファン協会長の話
「これは人権の侵害で、日本文化への侮辱。喜びの表現は、世界で認められるべき」

タイガー・バース・アメリカ阪神ファン協会長の話
「阪神ファンは最高だと自負しているが、行き過ぎた感情表現は危険。節度を守ったお祭りを盛り上げたいと思う」

星野ジュニアディレクターの話
「ファンの皆様のお任せしたい。ただ一言と言うと、道頓堀は本当に汚いですよ。昔のテムズ川のように『1滴の水に100万匹の虫がいる』状況ですから、しっかり考えて行動してください」