ボー茄子の収穫が最盛期 今年も不作
栃木県鬼怒川市で、高級食材として知られるボー茄子の収穫が最盛期を迎えた。年に2回しか味わえない珍味として人気があり、全国に出荷される。夏と冬の二毛作で知られるボー茄子だが、近年は不作が続く。
数年間続いた厳しい冷え込みが回復するとの予測が外れた今年も、小ぶりなボー茄子が目立った。市内の農家・小野義男さん(57)の畑も半数近くが枯れてしまったが、何とか収穫にこぎつけた。「収穫できるだけありがたい。大体5万円から10万円くらいで売れる」と話し、採れたてのボー茄子を見せてくれた。どんな料理にも合うが、マーボー茄子が一番だという。
鬼怒川農協によると、市内にある36軒のボー茄子農家のうち、寒さの影響などで収穫できなかった世帯が11軒。そのうち4軒は廃業した。それでも、最新設備を導入した市営の大規模農場で生産が好調だったこともあり、全体の出荷量は増加傾向にある。
農協の安倍理事長は、「廃業した農家が出たことは残念だが、大事なのは業界の勢いを失わないこと」と話し、市営農場にさらなる支援を続ける意向。こうした公営の農場で採れたボー茄子はずっしりと重く中身が詰まっているのが特徴で、高給品として平均78万円で取り引きされる。これらは専用の袋に詰められ全国の官公庁へ出荷されていく。