「腕がうずく…」 月食で中二病患者の緊急搬送が殺到
東京消防省は、10日午後9時から翌11日未明にかけて、「中二病」の119番通報・緊急搬送件数が5214件に上ったことを明らかにした。同時間帯に観測された皆既月食が影響したとしている。奇声や奇行に耐えかねた家族が通報するケースが多かったという。
119番通報された患者は「久々に腕がうずくぜ…」「右目がまた俺を苦しめる…『真実』を見たくないのにッ!」と肉体的不調を訴える症状に加え、「鎮まれ、俺の月光(ムーンライト)!」「お前、俺が見えるのか!?」などと意味不明なものが多く、精神的異常をうかがわせるケースもあった。
重症化した患者は3時間以上にわたって苦痛を訴えていたが、付き添いの母親に「いい加減にしなさい!」と一喝されると、おとなしく帰宅したという。患者の多くは10代の若者だが、20代は10人、30代も2人いた。
東京消防省はこうした症状を「中二病」の集団発生と断定。原因として、この日日本全国で観測された皆既月食をあげている。広報官は「数年ぶりの皆既月食というプレミアム感に加え、月という単語が潜在的な中二病患者の心をくすぐったのではないか。かく言う私も、中学生だった11年前の月食で同じような経験をした」と話す。
用語解説【中二病】…日本の伊集院博士が発見した精神疾患の一種。思春期の男女が多く発症する。洋楽を聴き始めて邦楽を過剰なほど卑下するほか、隠されていたもう一つの人格(パターン・ゼロ)の発露、邪鬼眼の開眼、「血が足りない」「それが世界の選択か…」などの意味不明な言動が見られる。多くは成長とともに自然治癒し、枕に顔をうずめて足をバタバタさせるという。