中国製農薬からギョウザを検出


写真=混入していたギョウザ(わかりやすいように皿に乗せています)

写真=混入していたギョウザ(わかりやすいように皿に乗せています)

日本国内への物品輸入を管轄する日本貿易管理センターは16日、中国から製造輸入された農業用殺虫剤にギョウザが含まれていたことを発表した。現段階では、このギョウザが製造・流通どちらの過程で混入したのかなど謎は多い。

ギョウザが混入していたのはアブラムシなどに効果がある殺虫剤「アホトバカス」で、この農薬を製造・輸出したのは中国河北省に本社のある綜合農業製造(中国河北省)。日本へは1キロ単位の梱包で輸入されるが、1梱包に1個から最大5個のギョウザ(焼かれた状態)が混じっていた。

同センターへは、昨年末より国内の農家などから「ギョウザが入っている」との連絡が数件あったというが、「普通に考えて有り得ないことなので」(担当者)今まで取り合っていなかったという。

事態の発覚を受けて中国地元当局は、綜合農業製造の従業員に対し、原因が究明されるまでギョウザを見たり食べたりしないよう命じた。綜合農業製造の広報は取材に対し「製造工程上考えられないこと」としながらも、ギョウザが入っていても品質には問題ないことから「ギョウザを取り除いて使用」するよう求め、自主回収などは行わない方針だという。

ギョウザ混入事件を聞いた街の消費者(20代女性)は、「気軽に農薬も買えない時代になるなんて」と不安を口にしていた。中国製の輸入製品に関しては、1999年に酢豚缶にパイナップルなどが混入した騒動があった。