売れ残った太巻き燃やす 伝統行事「恵方焼き」開催

売れ残った太巻き燃やす 伝統行事「恵方焼き」開催


節分に売れ残った太巻きを「恵方」を向いて燃やす「恵方焼き」が5日、都内の河川敷で行われた。無言で燃やすと願い事が叶うといい、今年は百貨店やスーパー、コンビニの店員ら約100名が参加。持ち寄った太巻きを、次々に炎へと投げ入れていた。

「恵方焼き」の正確な由来は不明で、コンビニオーナーから太巻きの在庫処分を押し付けられたアルバイト店員が困って燃やしたことがきっかけとも、江戸時代の遊郭が発祥とも、古代マヤ文明の儀式が起源とも、様々な説が飛び交う。一度は途切れた習慣だったが、恵方巻き商戦の過熱とともに復活し、現在では「業界の伝統行事」(参加者)だという。

今年は午後7時から開始。多くの参加者が就業時間を超えていたが、「恵方を向いて無言で残業すると願い事が叶う」という「恵方残業」の考えに基づき、文句を言う人はいなかった。

ひと際太い太巻きを投げ入れる、千葉県内のスーパーで働く調理担当の男性(24)は「ゴミとして捨てるわけではないので、罪悪感が無くて良いですね」と笑顔。参加理由は「店長の方針で高級食材を使った10万円の太巻きを100本作ったが、すべて売れ残ったので燃やしにきた」と話す。

主催する恵方焼き実行委員会からは、今年の参加者に対して行ったアンケートの結果も発表された。「願い事」ランキングは、全体の9割近くを占めた「恵方巻きの在庫処分をしなくて済みますように」が10年連続1位だったという。