省エネ省、ホタル撲滅を決定 蛍光灯禁止で
省エネルギー省は27日、蛍光灯の原料となるホタルを2020年までに撲滅することを決めた。省エネルギー基準を見直す政府方針により、消費電力の大きい蛍光灯の製造が実質的に禁止されることを受けたもの。
蛍光灯はホタルを乾燥させてすり潰し、粉末状にしてからガラス管に詰めて作られる。同省ではホタルを撲滅することで、消費電力の少ない発光ダイオード(LED)の普及を促進したい考えだ。
高橋次郎・蛍光灯取締特任リーダーは「厳しい判断だったが、やむを得ない措置」と述べ、夏の風物詩を無くすことに対して国民の理解を求めた。
同省は年内にも専門チームを立ち上げて殺虫剤の散布などを行い、国内に生息するホタル(約2000万匹)をすべて駆除する。個人が飼育するホタルも駆除対象で、ホタル飼育を禁止する法令の制定も視野に入れるという。ホタルイカやウミホタルは駆除対象となっていない。
また、遺伝子組み換え技術で発光するゴキブリを誕生させ、ホタルの代用とする「ゴキ光灯」開発に補正予算50億円を計上。一部のプロレス団体など蛍光灯を必要とする人々に対して救済案を示すとしている。