開発期間12年、ウィンドウズXPフォン発売
携帯電話製造メーカー・ホワイトベリーは9日、次世代端末「ウィンドウズXPフォン」を発売した。マイクロソフト製OSのウィンドウズXPを搭載し、ビジネスとプライベート両面での幅広い利用を見込む。
この携帯電話は「コンピュータを持ち運ぶ」をコンセプトに、ウィンドウズXP発売直後の2002年から開発に着手。マイクロソフトとの交渉3年、構想2年、設計2年、部品調達2年、組み立て2年、実用テスト1年の足掛け12年で発売にこぎ着けた。
機能の目玉はインターネットエクスプローラ8の搭載。ウィンドウズXPで使用可能なブラウザの中では最新だ。それ以外にはワードやエクセルといったオフィス機能のほか、ペイントやマインスイーパ、ソリティアなど娯楽性も充実。仕事で必要なときはオフィス機能を使い、オフの時間にゲームで遊ぶといった「新しい携帯電話ライフスタイル」(同社広報)を実現する。
ウィンドウズシリーズを代表するキャラクター、オフィスアシスタントを務めるイルカのカイルも復帰する。「質問にちゃんと答えない」「無駄にグラフィカルで処理速度を落とす」などと不評を買いウィンドウズXPには本来登場しないが、メモリを増強するなどして快適にカイルを動かす事に成功した。開発期間の多くはこの行程に費やされたという。
同社の佐々木社長は「本来なら2003年に発売予定だったが、日々アップデートするXPに対応し続けた結果、発売がここまでずれ込んでしまった。コンピュータを搭載した携帯電話というのは開発当初は画期的だったので、ぜひ手に取ってほしい」と話す。
一方、マイクロソフトは9日、ウィンドウズXPのサポート終了を発表した。今後同OSを使用する場合はインターネットに接続しないよう呼びかけている。