ソニー、ソニータイマー事業から撤退へ


写真=DVDレコーダー機能付プレイステーション2「PSX」

写真=DVDレコーダー機能付プレイステーション2「PSX」

ソニーが、長年にわたって開発を進めてきたソニータイマー事業から完全撤退することがわかった。同事業の不振を受けたもので、国内外の開発拠点も売却するとしている。

家電分野で業績不振が続くソニーは、今月5日に「VAIO」ブランドで展開してきたパソコン事業からの撤退を明らかにしたばかり。今後はテレビや電池など、再建に多額の資金が必要となる事業に注力する方針だ。

ソニータイマー事業の始まりは、1970年代に「ソニー製品はメーカー保証期間を過ぎた途端に故障するタイマーが入っている」という噂が世界的に流れたことがきっかけ。それまで時限装置のようなタイマーを仕込んだ事実は無かったが「無いものを作るのが日本の技術者だ」(開発担当者)との信念から1979年に研究室を設立、現在まで開発が続けられてきた。

だが、製品寿命を1分1秒まで完全にコントロールする高度な技術の開発は難航。これまでに1000億円を超える資金がつぎ込まれたが、故障するタイミングの誤差を10分以内に抑えられなかったことから「ユーザーの求めるレベルに到達するにはまだ時間がかかる」と判断、実用化を断念した。開発拠点は売却する方針で、サムスン電子など複数の企業が関心を示しているという。

ソニー製品を長年愛用しているという男性(26)は、「VAIOやソニータイマーには愛着があったので残念。PSPgoに折りたためるソニータブレットP、もっと遡ればPSXなどソニーらしさのある製品が無くなっていくのは寂しい」と話した。