日本、オージー鯨肉の関税撤廃を検討


写真=鯨(伊藤若冲『象鯨図屏風』より)

写真=鯨(伊藤若冲『象鯨図屏風』より)

農産物の輸出入を管轄する農業貿易管理局が、オーストラリア産鯨肉の関税撤廃を検討している事がわかった。

オーストラリア産牛肉(オージービーフ)については現状の38.5%から90%以上に引き上げる事も求めており、14日にも農水省と経産省に要請書を提出する。

農業貿易管理局では、オージービーフの関税引き下げと日本車の関税撤廃で大筋合意した日豪間の経済連携協定(EPA)に鯨肉が含まれていない事を問題視。「今後、何らかの事情によって鯨肉がオーストラリア最大の輸出品になる可能性は捨てきれない。その時に備えてあらかじめ関税を決めておく事は重要」(佐々木伸久・農業貿易管理局長)として関税率について議論してきた。

現時点でオーストラリアは鯨肉を輸出入していないが、佐々木局長は「オージービーフの関税を90%に設定する代わりに、日本はオージー鯨肉の関税撤廃という最大限の誠意で答えるべき」と指摘し、「将来的には日本産鯨肉の関税も0%にしてもらえたらいい」と展望を語った。

オーストリア通商省は取材に対し、「その件について我々は答える立場に無い」として明言を避けた。