「牛乳はドーピング」 反ドーピング団体が規制呼びかけ

「牛乳はドーピング」 反ドーピング団体が規制呼びかけ


画像=トリプトファンの化学式

画像=トリプトファンの化学式

世界的な反ドーピング団体「潔白を愛する市民連合」は14日、牛乳の摂取規制を求める談話を公表した。今後は世界陸上競技協会へ意見書を提出し、スポーツ選手の牛乳摂取を取り締まるよう要請していく。

市民連合は「牛乳に含まれるサイアミンやトリプトファンは、運動能力を向上させるドーピング的な効果がある」と指摘。一方で「多量摂取が人体に悪影響を与える」と安易な摂取に警鐘を鳴らす。

サイアミンは心拍数を整えたり疲労回復の作用があり、トリプトファンは精神安定に効果的とされる。同時に公表された報告書によると、2015年に行われた調査では、全世界のスポーツ選手の9割以上がサイアミンとトリプトファンに陽性反応を示したという。そのうち8割は幼少期からの摂取が常習化していた。

こうした状況を「世界的な牛乳汚染」と表現する市民連合は、牛乳に含まれるポタシウムやDHMOについても人体への影響を研究する方針。さらに今後、筋肉増強に作用するカルニチンを多く含む牛肉や豚肉の規制強化も視野に入れているという。