漫画「鳥獣戯画」が最終回 平安から続く連載記録


写真=主要な登場人物の兎と蛙

写真=主要な登場人物の兎と蛙

平安時代から続く日本最古の漫画「鳥獣戯画」が、今月発売の「コミックマンデー特大号」をもって最終回を迎えることが明らかとなった。

同作は12世紀に「週刊をかし草紙」で連載を開始。ユーモラスなタッチでカエルやウサギを擬人化し、風刺を効かせた作風から「日本漫画の祖」とされる。「応仁の乱」の戦災による休載があったものの、「阿呆日記」、「珍話抄」、「滑稽新聞」と形を変えながら800年に渡る連載を続けてきた。単行本は 10019巻に上る。

作者は代替わりを繰り返してきたが、「近頃の絵描きは筆を使いたがらない」(56代目の作者・江瀬雁作さん (96))ため後継者問題に直面していた。今年に入り動物を美少女に擬人化したゲーム「鳥獣これくしょん」のキャラクターデザインを依頼してくる業者もいたが、断ったという。

「コミックマンデー特大号」は今月30日発売予定。800年にわたってすれ違い続けてきたカエルとウサギ、キツネらを巻き込んだ全員片思いの恋に決着がつき、それぞれが新たな一歩を踏み出すという。

江瀬さんは取材に対し、「長期連載の記録は『こち亀』に任せたい」と話している。