「面倒臭い」の原因物質を特定 立川工科大学


人が「面倒臭い」と感じる原因となる臭い物質を、立川工科大学の池田教授(嗅覚行動学)の研究チームが発見した。今月発売の臭い専門誌「アンモニア」に掲載される。

池田教授によると、これまで「面倒臭い」のはっきりした臭いは不明とされてきたが、今回発見された臭い物質を嗅ぐことで強い倦怠感や脱力感を引き起こすことが認められたという。

研 究チームは健康な男女50人に「絡まったイヤホンをほどく」「電話帳から名前に数字が入っている人だけを抜き出す」「知人のSNSにいいね!を押す」といった面倒臭い作業を指示。面倒臭いと感じた瞬間の空気を分析したところ、新発見となる臭い物質を発見した。

その後の研究で、この臭い物質が倦怠感や脱力感を誘発する神経作用を持つことが判明。「ヤルキナシン」と命名され、面倒臭さを引き起こす原因になることを特定した。また、いわゆる「面倒臭い人」は、ヤルキナシンを体から放出している可能性が高いこともわかった。

池田教授は「いつも出勤するのが面倒臭くてサボる理由を探していた。それもこれもヤルキナシンのせいだから仕方がない」とした上で、「昨日から研究室のスタッフが面倒臭がって誰も出勤してこない。私も論文をまとめるのが面倒臭くなったので、発表中止を検討している。ヤルキナシンのせいだから仕方がない」と話している。