「青空を再び!」黄砂対策に青い粉の大量放出はじまる 中国


写真=さくらでんぶによってピンクに染まった空

写真=さくらでんぶによってピンクに染まった空

大気汚染が深刻化している中国で、北京市が画期的な対策を開始した。市内の工場の煙突から青い粉を一斉に放出することで空を青くするというもの。北京福来日報が報じている。

北京は黄砂やPM2.5の影響で、空がぼんやりと霞む状況が続いている。在中国アメリカ大使館によれば、22日現在、北京市内は36日間連続で青空が観測されていない。

こうした状況の改善に乗り出したのは、北京公衆衛生局環境工作課。市内を流れる川の一面を覆うアオコ(水質汚染が原因で発生する藻の一種)を乾燥・粉末化することで、純度の高い青色の粉を精製することに成功した。アオコは厳密には緑色だが、「青色1号を使用した。これ以上は機密事項だ」(同局職員)としている。この青い粉は「青砂」と名付けられ、25トンあまりを市内に6000ある工場の煙突から放出する計画だ。

22日午前に行われた1回目の放出では、放出開始からおよそ10分で空は真っ青に変化。36日ぶりとなる青空に市民からは歓声が上がった。
2回目は同日午後に行われたが、食品を加工する日系企業が誤ってさくらでんぶ(およそ5トン)を放出してしまい、空は青からピンク色に。これを見た北京観光戦略局の職員は「カラフルな空もいい。北京の新しい名物として売り出したい」と語った。

この日放出された青砂とさくらでんぶは、23日にも日本へ飛来する見通し。