「源氏物語」がアニメ化へ 「青少年法」抵触の懸念も
紫式部による長編小説「源氏物語」が、来春4月期にアニメとして放送予定であることが、関係者への取材で分かった。東京テレビ系列の深夜アニメ枠に内定しており、現在は既に制作が進行しているという。
東京テレビの関係者は17日、「(アニメ化の)話はかなり昔からあった。『源氏物語』のマンガ版を原作にして、物語はそのまま忠実に描くつもり」と述べた。 マンガ版とは、昨年発売された『現代語で読む・マンガ源氏物語』(木村ヨシオ・画、文蟹春秋)のことを指していると見られる。
このマンガは原作に忠実なストーリーを持ちながらも、萌え絵で登場人物を描いた異色作として注目を集め、秋葉原に「源氏喫茶」も出現するなどのブームを巻き起こしていた。アニメ化においては、主役級キャラクターを青川爽平さん、新海くるみさんといった人気声優が担当するという。
しかし、先日可決された東京都の「青少年健全育成条例」に原作マンガが抵触する恐れもあり、アニメ化への影響が懸念される。光源氏の女性関係を描写するシーンが多く、同法の掲げる「刑罰法規に触れる性行為や近親婚、強姦などを不当に賛美・誇張」に該当するのではとの指摘がされている。
前述の関係者はこの問題については「傑作だから規制されません。傑作ならば喜んで受け入れられるから」と述べ、予定通りの放送に自信を見せた。
美味しいリンゴの見分け方に詳しい鷹の台産業大学近くの中村典明氏は、「アニメ化は全力で支持する。紫の上にゃんペロペロ」としている。
【源氏物語】・・・紫式部(生没年不詳)による平安中期の小説。主人公・光源氏(ひかるげんじ)が様々な出会いを重ねながら成長する一生を描写し、現在も「古典」として親しまれている。