映画ポスターに抗議殺到 回収へ


アメリカで来年1月公開予定の映画、「アメリカン・ライフ」(ジャクソン&アリソン監督、タカ・ワタナベ主演)の劇場公開用ポスターが張り出されたところ、それを見た一部国民から「謳い文句がふさわしくない」と言った抗議が殺到しているとのこと。これを受け、配給元のフィルム・シーガルズは、全米におよそ15000枚貼られたポスターを急遽回収。デザイン一新も考えに入れた「大幅な変更」作業に入った。

一部で問題になっているのは、コーラ瓶を持ち、アメリカンコミックを持った”アメリカンスタイルの自由の女神”と「よい終末を!!」というキャッチコピー。これに多くのアメリカ人は抗議の感情を持たなかったものの、一部が「アメリカ国家の象徴的建造物を軽視している」「反米意識の扇動につながる」として、シーガルズ側にはおよそ200本の抗議が入ったと言う。

これについて、シーガルズ宣伝部長補佐、ブレインさんはこう語る。「私たちは、このポスターによってそのような意思を持たれる方がいらっしゃった事実を厳粛に受け止め、対応するつもりです。ですが…「よい終末を!!」は以前別の会社の映画で使用されてますね」。著作権違反の事実を明かしてまで今回の騒動に不可解さを投げかけた。今回の回収で、張替えなどの計画も立っておらず、来年1月の公開への影響は必至だ。

ポスターのデザインを担当したトミー・ヤマハタさんと、キャッチコピー掲載を決めた責任者ポール・スターさんに元には「不吉な犯罪予告」(関係筋)が届いたと言われ、凶悪犯罪化が懸念される。

今回、抗議したおよそ200名は、「アメリカ国民心の中の風景会」と言う同じ愛国主義者団体の人々と思われるが、問題のこの団体は何の声明も出していない。

監督であるサム・ジャクソン氏とサン・アリソン氏はともに「ポスター制作に我々は関与していない。それ以外はノーコメント」と沈黙している。

この「アメリカン・ライフ」は、96年に制作された「アメリカン・キャブ」の続編。スタンダードなアメリカンコミックを、世界各地で大規模に撮影したことでも知られる。超有名俳優の起用や、「はじけた笑い」が人気を呼び、アメリカ国内では歴代興行収入4位、日本では同6位の世界的大ヒットとなった。監督のジャクソン&アリソンは、この作品が事実上のデビュー作となり、以降、ヒット作品を連発した。