プレゼント、今年はネット通販で サンタ連盟が業務委託


フィンランドに本部を置く世界サンタクロース連盟はクリスマスイブの24日、今年のプレゼント配送をネット通販大手のAmozonに委託することを発表した。「サンタの高齢化が進み体力的に厳しいと判断した」と理由を説明している。

世界中の子ども達から寄せられたプレゼントのお願いは、該当するプレゼントを協会側が通販サイトで検索し購入。25日0時~2時の「時間指定」で各家庭へ配送する。「お急ぎ便」は手数料がかかるという。

ニコラウス報道官は「世界一の配達網を持つAmozonと協力できるのは大変素晴らしいこと」とコメントした。クリスマスプレゼントの配送は、サンタ一人が平均10万家庭を担当する肉体労働。ルートによってはロンドン―マニラ—ブエノスアイレス—ソウル—東京—シカゴ—ホノルルの家庭を1時間で回らなければならない場合もあるという。

こうした現状にサンタ本人から「以前よりスピードが出せなくなった」「クリスマスは家族と過ごしたい」との声や、時速数千キロに達するソリをミサイルと誤認されて攻撃を受けることに不安を漏らす声が急増。さらにインターネットでは「クリスマスに老人に深夜残業やらせるとか、とんだブラック企業だ」や、トナカイにソリを引かせる行為を「動物虐待ではないか」などとする批判が殺到していた。

これらの実態を踏まえ、協会では配達のあり方について協議。「3Dプリンターを支給して各家庭で欲しいものをプリントする案」「プレゼント代わりの現金を指定口座に振り込む案」などを抑え、「ネット通販利用案」が圧倒的な支持を受けたという。

Amozonが小型無人ヘリでの配達を計画していることも「ソリに似ているし、心理的抵抗が最も少ないと思われた」(ニコラウス報道官)として影響したとみられる。連盟では「深夜にインターホンが鳴っても驚かないでほしい」と呼びかけている。