「慌てるサンタ」に頭を悩ます


サンタが一番忙しい、プレゼントを配る日・クリスマス・イブ。しかし、一部の「若手サンタ」が時間に間に合わない非常事態が発生し、フィンランドに本部を 置く、「世界サンタクロース協会(本部:ヘルシンキ)」の会長責任問題にまで発展した。

写真=急ぐサンタ

写真=急ぐサンタ

問題になったのは、協会北米支部に所属する36~42歳の「若手サンタ」12名。キャンベラ協会理事(年齢非公開)によると、このサンタたちは、23日午 後11時ごろ、「年末パーティー」と称して飲酒会を行った。結果、参加した16名中12名が、寝坊や二日酔いにより24日のクリスマス・イブに間に合わな かったと言う。写真は、25日0時05分に撮影された問題のサンタの一人と見られる人物。

カナネン協会長(年齢非公開)は、「待ち望んだ 子供たちにとってあまりにむごい結果」とし、12名のサンタを協会除名処分・厳重な処罰を課すが、さらにサンタ資格剥奪も検討していると言う。また、パー ティーに参加したものの、時間には間に合った4名については「サンタ・ソリ道路法第2条により、飲酒運転は禁止されています。その点から言って、何らかの 処罰が課せられる可能性があります」とのこと。

問題のサンタの担当地域だった、北米大陸の1200世帯では、プレゼントが無かったことに 対して子供たちの不満・不安が積もっている。また、親からのクレームが協会へ殺到しているとのことで、「来年から来なくていいという親」まで出ている状態と言う。プレゼントが届かなかっただけでなく、「間に合った飲酒サンタ」が担当した家では「家の中が荒らされている」「ケーキが無くなった」といった犯罪被害も報告されており、関与が疑われている。

この問題に関連して、カナネン会長以下、幹部10名の総辞職を求める運動が北米支部会長から起こっており、長期化しそうな気配だ。

しかし、責任追及について会長は「北米支部は内部で管理を徹底するべきだった。フィンランド本部へ責任を転嫁するのは、我々にとって今後の活動になんら影響ない」と退けた。

1692年から残っている協会の資料によると、これまでにこうした「業務の時間に遅れる」事例は毎年数件ずつ起きているが、今回のように12名に上った ことはめったに無いと言う。最近のものとしては、1982年にサンタ7名が待遇改善を求めて集団ボイコット、1724名の子供に影響した。