新宿駅、各出口つなぐ環状線開業へ
駅環境整備協議会は19日、複雑な内部構造から「迷宮」とも呼ばれる新宿駅の地下に、各出口を結ぶ環状線開業を目指すことを決めた。訪日外国人など利用者増加に伴う混乱を緩和するためで、来年度の開業を目指す。
新宿駅は一日の平均乗降客数が約360万人で、世界一の規模を誇る。12路線が乗り入れる地上2階地下7階という駅の構造は「複雑でわかりづらい」との声が絶えない。15年末に京王口から都庁を目指したまま行方不明となっていた男性が先月、半年ぶりに甲州街道改札の近くで発見されたことは記憶に新しい。
新たに開業する環状線は東口の地下に東口駅、西口の地下に西口駅など各出口に駅を設置して地下鉄で結ぶ。特に「わかりづらい」との声が多い東口と西口間は「快速」なら1分、「特快」は最短30秒で移動できる。
協議会では、「駅に北口と南口しかないような地方から出てきた人にとって新宿駅は恐ろしいだろうが、この環状線は安心して使ってほしい」と話す。
環状線が実現すれば、各駅のホームは用地の都合から地下11階に新設予定。基幹駅となる西口駅は中央口と東口、西口、西南西口、南南東口など18カ所の出口を持つ巨大駅となる見込みだ。